監修医師
志村 一馬 医師
川越下肢静脈瘤膝関節クリニック 院長
当クリニックでは傷跡が目立ちにくい治療方法である、血管内焼灼術を健康保険適用でお受けいただくことができます。お気軽にご相談ください。
下肢静脈瘤を放置するとどうなるのか?疑問に思う方が多い問題です。
この記事では、下肢静脈瘤を放っとくとどうなるのか、放置した場合に起こり得る症状や受診の目安、早めに状態を確認するメリットについてわかりやすく解説します。
下肢静脈瘤を放っとくとどうなる?
下肢静脈瘤を放置すると、静脈の逆流が続き、足のむくみや重だるさ、血管のふくらみなどが徐々に目立ってきます。
さらに進行した場合には、色素沈着やうっ滞性皮膚炎、静脈性潰瘍などの皮膚症状につながる可能性もあります。
ただし、症状の進み方や速さには個人差があり、すべての方が同じように重症化するわけではありません。
一方で、下肢静脈瘤は自然に治ることが期待しにくい病気です。
気になる症状や見た目の変化がある場合は、そのまま放置せず、血管の状態を確認することが大切です。
下肢静脈瘤は放置しても自然に治る?
下肢静脈瘤は、自然に治ることが期待しにくい病気です。
下肢静脈瘤は、足の静脈にある「静脈弁」の働きが低下し、血液が逆流することで起こります。
一度機能が低下した静脈弁は、自然に元の状態へ戻ることが難しいからです。
日によってむくみや重だるさが軽く感じられる場合もありますが、症状が一時的に和らいでいるだけで、静脈の逆流そのものが改善したとは限りません。
また、適度な運動や弾性ストッキングの着用によって、むくみや重だるさなどの症状が軽減する場合もあります。
ただし、これらによって一度機能が低下した静脈弁そのものが元に戻るわけではありません。
下肢静脈瘤を放置すると起こる可能性がある症状
下肢静脈瘤は、進行の仕方や速さに個人差があります。
すべての方が同じ経過をたどるわけではありませんが、静脈の逆流が続くことで、足の不快な症状や血管の見た目、皮膚の状態に変化が現れることがあります。
ここでは、下肢静脈瘤を放置した場合に起こり得る主な症状を紹介します。
むくみ・だるさ・こむら返り
下肢静脈瘤では、夕方になると足がむくむ、重だるく感じる、夜間に足がつるといった症状がみられることがあります。
初期は症状が軽く、疲れや加齢によるものと思われがちです。
横になったり足を高くして休んだりすると一時的に楽になることもありますが、静脈の逆流そのものが改善したわけではありません。
こうした症状が繰り返す、以前より強くなってきたと感じる場合は、下肢静脈瘤が関係している可能性もあります。
血管が太くなり、こぶ状に目立つ
下肢静脈瘤が進行すると、皮膚の表面に青く太い血管が浮き出たり、こぶのように膨らんだりすることがあります。
はじめは細い血管が目立つ程度でも、静脈の逆流が続くことで、徐々に血管のふくらみが大きくなる場合があります。
見た目の変化に加えて、足の張りや重だるさ、むくみなどを感じることもあります。
色素沈着やうっ滞性皮膚炎が現れる
静脈の逆流が続くと、足首やすね、内くるぶし周辺の皮膚が茶色く変色する「色素沈着」が現れることがあります。
色素沈着は、静脈内の圧力が高くなり、赤血球の成分が血管の外へ漏れ出すことで起こります。
さらに皮膚への負担が続くと、赤みやかゆみ、湿疹、乾燥などを伴う「うっ滞性皮膚炎」につながることもあります。
皮膚の色や状態に変化がみられる場合は、静脈うっ滞が進んでいる可能性もあるため、早めに医療機関へ相談しましょう。
静脈性潰瘍ができることがある
下肢静脈瘤がさらに進行すると、皮膚に傷ができ、その傷が治りにくくなる「静脈性潰瘍」を生じることがあります。
静脈性潰瘍は内くるぶし周辺にできやすく、浸出液が出たり、周囲の皮膚が硬くなったりすることもあります。
潰瘍まで進行すると治療や創部の管理に時間を要する場合があるため、色素沈着や湿疹などの皮膚症状が現れた段階で受診することが大切です。
静脈瘤から出血することがある
皮膚のすぐ下にある静脈が大きく拡張すると、足をぶつける、転倒する、爪で引っかくといった軽い刺激をきっかけに、静脈瘤から出血することがあります。
出血した場合は、清潔なガーゼやタオルで患部を圧迫し、足を心臓より高い位置に上げて安静にします。
圧迫しても出血が止まらない場合や、出血を繰り返す場合は、自己判断で様子を見ず、できるだけ早く医療機関を受診してください。
下肢静脈瘤はどの症状が出たら受診した方がいい?
足の血管が目立つだけで症状がほとんどない場合でも、下肢静脈瘤が疑われるときは、一度医療機関で血管の状態を確認しておくと安心です。
特に、次のような症状が続いている、または以前より悪化している場合は、血管外科などの医療機関へ相談しましょう。
足の血管が浮き出ている、こぶ状に膨らんでいる
むくみや重だるさが続いている
夜間のこむら返りが増えている
足首やすねに茶色い色素沈着がある
かゆみ、赤み、湿疹などの皮膚症状が続いている
足の傷がなかなか治らない
静脈瘤から出血したことがある
とくに、色素沈着や湿疹、治りにくい傷などがみられる場合は、静脈うっ滞が進んでいる可能性があります。
また、片足だけが急に腫れた、強い痛みや熱感があるといった症状は、下肢静脈瘤以外の病気が原因となっている可能性もあるため、できるだけ早く医療機関を受診してください。
医療機関では、超音波(エコー)検査で静脈の逆流や血流の状態を確認し、治療が必要かどうかを判断します。
「まだ痛くないから」と自己判断で放置せず、気になる変化があれば相談することが大切です。
下肢静脈瘤を早めに受診するメリット
下肢静脈瘤は、症状が軽いうちに受診することで、現在の血管の状態や病気の進行度を確認できます。
超音波(エコー)検査などで静脈の逆流や血流の状態を把握することで、症状や進行度に応じた治療方針を検討しやすくなります。
また、むくみや重だるさ、こむら返りなどの症状がある場合は、適切な治療や日常生活での対策によって、症状の軽減が期待できることもあります。
色素沈着やうっ滞性皮膚炎などの皮膚症状がみられる場合も、早めに原因を確認しておくことで、今後の経過や必要な治療について判断しやすくなります。
下肢静脈瘤が気になる方へ
下肢静脈瘤クリニックでは、足の血管のふくらみやむくみ、重だるさ、色素沈着など、下肢静脈瘤が疑われる症状についてご相談いただけます。
診察では、超音波(エコー)検査を用いて静脈の逆流や血流の状態を確認し、その結果をもとに症状の程度やライフスタイル、ご希望などを踏まえながら、一人ひとりに合った治療方針をご提案します。
「下肢静脈瘤かどうかわからない」「まだ治療が必要な状態なのか知りたい」という段階でもご相談いただけます。気になる症状や見た目の変化がある場合は、自己判断で放置せず、一度ご相談ください。
お気軽にご相談ください
下肢静脈瘤の放置に関するよくある質問
下肢静脈瘤は放置しても大丈夫ですか?
症状の進み方には個人差がありますが、下肢静脈瘤は自然治癒が期待しにくい病気です。放置すると、むくみや重だるさが続いたり、血管のふくらみや色素沈着、皮膚炎などが進行したりする可能性があります。気になる症状がある場合は、一度医療機関へ相談しましょう。
下肢静脈瘤は自然に治りますか?
下肢静脈瘤は、自然に治ることが期待しにくい病気です。運動や弾性ストッキングの着用によって、むくみや重だるさなどの症状が軽減する場合はありますが、静脈の逆流そのものを改善する治療ではありません。
下肢静脈瘤は必ず手術が必要ですか?
すべての方に手術が必要なわけではありません。症状や静脈の逆流の程度によっては、弾性ストッキングの着用や生活上の対策などで経過をみる場合もあります。治療が必要かどうかは、超音波(エコー)検査などで血管の状態を確認したうえで判断します。
下肢静脈瘤を放置すると命に関わりますか?
下肢静脈瘤そのものが、すぐに命に関わることは多くありません。ただし、進行すると色素沈着やうっ滞性皮膚炎、静脈性潰瘍、出血などを生じることがあります。症状が続いている場合や悪化している場合は、自己判断で放置せず医療機関へ相談してください。
下肢静脈瘤はどのタイミングで受診すればいいですか?
足の血管のふくらみや、むくみ、重だるさなどが気になる時点で相談するとよいでしょう。特に、色素沈着や湿疹、治りにくい傷、静脈瘤からの出血などがみられる場合は、早めの受診をおすすめします。また、片足だけが急に腫れた、強い痛みや熱感がある場合は、下肢静脈瘤以外の病気が原因となっている可能性もあります。速やかに、医療機関を受診してください。